丁寧に説明したつもりなのに、相手の反応が薄い。言葉が足りなかったのだと思って、さらに説明を加える。すると文章は長くなったのに、前より読みにくくなることがあります。
伝わらない理由は、情報不足だけではありません。相手が知りたいことと、自分が説明していることが少しずれている場合もあります。
相手は、どの場面から読んでいるのか
初めて触れる人と、一度試して困っている人では、同じ言葉を使って質問していても求める答えが違います。「どうやって始めるの?」の中に、手順を知りたい気持ちと、不安を整理したい気持ちが混ざっていることもあります。
ここを確かめずに説明を詳しくすると、必要のない情報だけが増えます。最初に、「読む人はいま何をしようとしているか」を一場面で想像してみます。
たとえば文章を書けずにいる人に、文章の歴史から教える必要はないかもしれません。書き始める前に迷う点を一つ扱う方が、いまの疑問に近づきます。
知っている言葉を、一つだけ外してみる
自分が慣れている言葉は、説明しなくても通じるように感じます。しかし、読み手にとっては、その一語が分からないために後の文章がつながらないことがあります。
「アウトプットする」と書く代わりに、「読んだ内容を自分の言葉で三行書く」と言ってみる。行動が見える言葉へ直すと、意味を共有しやすくなります。
専門的な言葉を全部なくす必要はありません。使うなら、その文章の中で何を指しているかを添える。言葉を知っているかどうかで、読み手を置いていかないためです。
具体例は、増やすより近づける
説明に例を足すときも、数が多ければ分かりやすいとは限りません。読む人の生活から遠い例を五つ並べるより、近い場面を一つゆっくり追う方が伝わる場合があります。
仕事を終えた夜に机へ向かう、途中の下書きを開く、最初の見出しで手が止まる。その場面が浮かべば、何が難しいのかを一緒に考えられます。
最後に残る一文を確かめる
長い文章を書き終えたら、読んだ人に何を持ち帰ってほしいかを一文で言ってみます。その一文が定まらなければ、伝えたいことを詰め込みすぎているのかもしれません。
いまの下書きから一段落だけ選び、「これは相手のどの疑問に答えているか」と問い直してみてください。削った一文のおかげで、本当に伝えたい話が見えてくることがあります。

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