【2025年最新】生成AI画像を使う前に知っておきたい著作権のすべて！5つのQ&Aで徹底解説

1. はじめに – 生成AI画像、SNSやブログで使うのはアリ？ナシ？

近年、インターネットやSNS上では、まるで現実の写真と見分けがつかないほどリアルな風景画や、プロのイラストレーターが描いたような美しいキャラクターイラストなど、驚くほど高品質な画像をよく目にするようになりました。これらの画像の中には、人間が描いたものではなく、「生成AI」と呼ばれる人工知能技術によって生み出されたものが数多く含まれています。

生成AIによる画像生成技術は、その目覚ましい進化と手軽さから、私たちの生活や表現活動に大きな変化をもたらしつつあります。例えば、SNSの投稿画像やブログ記事の挿絵を、AIに指示するだけで、自分のイメージにぴったりのものを簡単に作成できるようになったり、これまで表現できなかったような、独創的なアート作品を創作したりすることも可能です。

しかし、この便利な技術を使う上で、私たちが常に意識しておかなければならないのが、「著作権」という問題です。著作権とは、小説、音楽、絵画、映画など、人間の創造的な活動によって生み出された「著作物」に対して発生する権利であり、著作権者に無断で著作物を利用した場合、著作権侵害となる可能性があります。

では、AIが生成した画像を、私たち一般のユーザーが、個人のSNSに投稿したり、趣味のブログに掲載したり、あるいは、企業の広告やWebサイト、商品デザインなどに利用したりしても、著作権的に問題ないのでしょうか？実は、この問題は、非常に複雑で、まだ明確な答えが出ていない部分も多く、場合によっては、思わぬ法的トラブルに巻き込まれてしまう可能性も孕んでいます。

この記事では、そんなあなたの疑問や不安に答えるべく、生成AI画像と著作権の関係について、特に、生成AIによって生成された画像を、個人利用、商用利用など、様々な目的で利用する際に、私たちがどのような点に注意すべきなのかを、具体的なQ&A形式で、分かりやすく、そして詳しく解説します。この記事を最後まで読んで、生成AI画像を安心して楽しむための知識を身につけ、AIとの新しいクリエイティブな関わり方を模索していきましょう。

2. 生成AI画像と著作権、知っておきたい5つのQ&A

生成AI画像を使う上で、特に気になる著作権に関する疑問を、5つのQ&A形式でまとめました。それぞれの質問に対する回答を、具体的な事例や注意点とともに解説します。

Q1. 生成AIが作った画像の著作権は誰のもの？

A. 生成AIを使って画像を生成した場合、その画像の著作権は誰に帰属するのでしょうか？この質問に対する答えは、残念ながら、「場合による」というのが現状です。

日本の著作権法では、著作権は「思想又は感情を創作的に表現したもの」に与えられる権利であり、その創作者である「著作者」は、「著作物を創作する者」と定義されています。つまり、著作権が発生するためには、人間の創造的な活動が不可欠であり、AIは、あくまで人間が創作活動を行うための「道具」として扱われる、というのが、現在の日本の法律の基本的な考え方です。

したがって、AIが単独で、人間の指示を全く受けずに、自律的に画像を生成した場合、その画像に著作権は発生しないと考えられています。なぜなら、その画像は、人間の「思想又は感情」の表現とは言えないからです。

しかし、生成AIの利用者が、画像の生成過程において、AIに対して、具体的な指示を出したり、生成された画像を大幅に加工・修正したりするなど、人間の「創作的な寄与」をしたと認められる場合には、その部分について著作権が認められる可能性があります。

例えば、あなたが、生成AIに対して、「青い空と白い雲が広がる風景の中に、赤い屋根の家が建っている絵を、水彩画のようなタッチで描いてください」という具体的な指示を出し、生成された画像に、さらに手書きで花や鳥を描き加えるなど、大幅な修正・加工を行った場合、その画像には、あなたによる創作的な寄与が認められる可能性が高く、あなたはその画像の著作者として、著作権による保護を受けられると考えられます。

しかし、生成AIに、「猫の画像を描いて」といった、ごく簡単な指示のみを与え、生成された画像をそのまま利用するような場合、人間の創作的な寄与が乏しいと判断され、その画像に著作権は発生しない可能性が高いでしょう。

このように、AI生成物の著作権は、その生成プロセスにおいて、どれだけ人間の創造性が加わっているかによって判断されるため、非常に複雑な問題となります。今後の裁判例や法改正によって、より明確な基準が示されることが期待されます。

Q2. 生成AI画像を使う場合、何に注意すればいいの？

A. 生成AI画像を、個人的な利用だけでなく、ブログやSNSに掲載したり、仕事でデザインの参考にするなど、様々な目的で利用する際には、以下の点に注意する必要があります。

利用規約を必ず確認する
- 画像生成AIサービスごとに、利用規約で、生成された画像の利用範囲（商用利用の可否など）や、禁止事項（アダルトコンテンツの生成など）が細かく定められています。
- 例えば、あるサービスでは、「有料プランに加入している場合のみ商用利用可」と定めている場合もあれば、「生成された画像の利用は、自社のデザインの一部に限る」としている場合もあります。また、「生成された画像の著作権は、サービス提供者に帰属する」としているサービスも存在します。
- そのため、利用規約をしっかり確認せずに、生成AI画像を安易に利用してしまうと、意図せず利用規約に違反してしまう可能性があります。最悪の場合、アカウント停止や、生成した画像の利用権を失うなどの事態に陥る可能性も考えられます。
既存の著作物に似せない
- 生成AIに指示するテキスト（プロンプト）に、特定のアーティストの名前や、既存の作品名、キャラクター名、ブランド名などを直接指定することは避けましょう。これらの要素をプロンプトに含めると、生成された画像が、既存の著作物に酷似してしまう可能性が高まります。
- また、生成AIが生成した画像を、さらに加工・編集する際にも、既存の著作物の表現を模倣するような加工は避け、自分自身のオリジナリティを出すように心がけましょう。
生成された画像をそのまま使わない
- 生成AIが生成した画像を、そのまま無加工で利用することは、著作権侵害のリスクを高めるだけでなく、オリジナリティの観点からもおすすめできません。
- 生成された画像を、あくまで「素材」や「アイデアの参考」として捉え、必ず人間が手を加え、独自の創作性を加えるようにしましょう。
- 例えば、生成された画像を加工・編集したり、複数の画像を組み合わせて新しい作品を制作したり、イラストレーターやデザイナーに依頼して、生成された画像をベースに、オリジナルの作品を制作してもらうなどの方法が考えられます。

Q3. 生成AI画像を使ってグッズを作って販売してもいい？

A. 生成AI画像を使ってグッズを制作し、販売することは、「商用利用」にあたります。商用利用が認められるかどうかは、利用する生成AIサービスの利用規約によって異なります。

多くのサービスでは、有料プランに加入している場合や、特定の条件を満たしている場合に限り、商用利用を認めています。無料プランでは、商用利用が禁止されている場合や、生成画像にウォーターマーク（透かし）が入ってしまう場合もあるため、注意が必要です。

また、生成された画像に、既存の著作物（例えば、人気キャラクターやブランドロゴなど）が酷似している場合、著作権侵害や商標権侵害となる可能性もあるため、十分な注意が必要です。グッズを販売する際には、弁護士などの専門家に相談することも検討しましょう。

Q4. 生成AI画像をSNSに投稿してもいい？

A. 個人的な利用の範囲内であれば、生成AI画像をSNSに投稿すること自体は、基本的に問題ありません。例えば、趣味で生成した画像を、自分のアカウントで公開したり、友達と共有したりする程度であれば、著作権侵害になる可能性は低いと考えられます。

ただし、生成AI画像を、他人の名誉を毀損するような内容や、わいせつな内容と組み合わせて投稿するなど、著作権法や名誉毀損に関する法律に違反する行為は禁止されています。また、生成された画像に、著名人の顔などが酷似している場合、肖像権侵害になる可能性もあるため、注意が必要です。

Q5. 生成AI画像を使って作った作品をコンテストに応募してもいい？

A. 生成AI画像を使って作った作品をコンテストに応募する場合、コンテストの応募要項に、「生成AIを使用した作品の応募を認めない」という規定がない限り、応募すること自体は可能です。

ただし、コンテストの主催者が、応募作品の著作権を主催者に譲渡する旨の規定を設けている場合、生成AI画像の著作権の所在が曖昧なため、トラブルになる可能性があります。応募する前に、応募要項をよく確認し、必要であれば、コンテストの主催者に問い合わせるなどして、著作権の扱いについて確認するようにしましょう。