生成AIってなに?
生成AIとは、人間のように自然な文章を書いたり、絵を描いたり、音楽や音声を作ったり、さらには動画まで自動で生成できるすごい技術のことです。最近では、勉強や仕事、趣味の分野まで、あらゆる場面で活用されており、私たちの生活にどんどん身近になっています。
たとえば、AIが描いたイラストがアートコンテストで受賞したり、AIが作曲した音楽がSNSで話題になったり、企業では商品説明文の作成や会話対応に使われたりと、実際に使われる例もどんどん増えてきました。
ただし、AIにあいまいな指示をすると、思っていたものと違う結果になったり、少しズレた内容が出てきてしまうことがあります。そんなときに大切になるのが、「プロンプト」と呼ばれるAIへの指示の出し方です。
この記事では、プロンプトの基礎から活用テクニックまでをやさしく解説しながら、用途別の例も紹介していきます。
生成AIの種類と、それぞれの特徴
生成AIにはいろいろな種類があります。作りたいものに合わせて、最適なAIを選ぶのがポイントです。
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テキスト生成AI:ChatGPT、Gemini、Claudeなど。文章の作成や要約、質問応答など。
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画像生成AI:Midjourney、DALL-E、Stable Diffusionなど。イラストや写真風の画像を作成。
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音楽・音声生成AI:Suno、AudioCraft、Stable Audioなど。BGMや効果音、ナレーションの作成。
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動画生成AI:Runway、Sora、Veoなど。短い映像の作成やアニメ風のムービー生成。
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コード生成AI:GitHub Copilot、Geminiなど。プログラムのコード作成や修正。
これらのAIは、それぞれ得意なジャンルがありますが、プロンプトを工夫することで、より自分のイメージに近いアウトプットが得られます。
良いプロンプトの作り方 6つの基本ポイント
AIに「伝わる」プロンプトを作るためには、以下のような構成が効果的です。
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お願いの内容:「〇〇してください」と具体的に依頼する
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背景の説明:「何のために」「どんな状況で使うか」を伝える
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参考例の提示:期待する形の例を入れることで、方向性を示す
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AIの役割を設定:「あなたは〇〇の専門家です」と立場を設定する
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出力形式の指定:「表形式で」「500文字以内で」などフォーマットを伝える
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追加の条件:「専門用語を使わない」「優しい語り口で」などのトーンやスタイルの指定
このように具体性を持たせることで、AIの出力はぐっと目的に近づきます。
テキスト生成AIでのプロンプト活用例
良い例と悪い例を見比べてみよう
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NG:「面白い話を書いて」 → あいまいで方向性が不明
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OK:「小学生が読んで笑える、動物が主人公の短編物語を書いてください」
勉強で使う場合の例
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「高校1年生向けに地球温暖化の仕組みを300文字以内で説明してください」
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「“仮定法過去”の使い方を、例文とともにわかりやすく説明してください」
ビジネス・学校行事で使う例
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「文化祭のチラシに使う案内文を、明るく親しみやすいトーンで150文字以内にまとめてください」
画像生成AIのプロンプトとそのコツ
画像生成は視覚的な情報を細かく伝えることで、より理想に近い結果が得られます。
含めるべき要素
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主題:何を描くか(人物、動物、風景など)
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スタイル:アニメ風、写真風、水彩画風など
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詳細な描写:服装、髪型、表情、背景、小道具など
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構図や視点:全身、横顔、バストアップ、俯瞰など
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光や雰囲気:朝日、夕暮れ、曇り空、幻想的など
具体的な例
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「夕焼けの教室で机に向かう女子高生。制服、ポニーテール、ほほえみ。アニメ風、光が窓から差し込んでいる」
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「鎧をまとった騎士が剣を構えて立っている。リアルタッチで背景は中世の城。ドラマチックなライティング」
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「修学旅行の思い出風イラスト。5人の高校生が笑いながら歩いている。写真風で自然な構図」
音楽・音声生成プロンプトの工夫
音や音楽を生成するAIに対しても、詳しく伝えるほどイメージに近づきます。
伝えるべき内容
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ジャンル:クラシック、J-POP、ロック、EDMなど
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楽器構成:ピアノ、ギター、ストリングス、シンセなど
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ムード:元気、切ない、楽しい、ゆったりなど
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テンポやリズム:BPMの指定(例:BPM 90で落ち着いた感じ)
使用例
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「明るい夏の朝にぴったりな、ウクレレとピアノ中心のポップ曲。BPMは110」
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「静かな図書館で流れていそうな、バイオリンとピアノのデュオ。しっとりとしたムード」
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「体育祭のオープニング風、エレキギターとドラムが目立つアップテンポなロック」
動画生成AIのプロンプトで気をつけたいポイント
動画のプロンプトでは、動きや時間、背景、感情の要素が重要です。
要素一覧
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登場人物と行動:誰が何をしているか
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場所:背景や撮影地のようなイメージ
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時間帯:朝・昼・夜、季節感など
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カメラワーク:ズーム、追尾、空撮など
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雰囲気やスタイル:明るい、神秘的、現代風、未来的など
具体的なプロンプト例
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「放課後の教室でノートを閉じて立ち上がる男子生徒。夕陽が差し込む。カメラは横から静かに移動」
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「近未来の東京を歩く女性ロボット。ネオンが反射する雨の夜道。カメラは後ろから追いかける視点」
モデルごとのプロンプトの工夫
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ChatGPT:役割(例:先生、案内人)を伝えると、より自然な回答になります。
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Midjourney:「–ar 16:9」で画面の比率を指定可能。
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Stable Diffusion:「realistic」など、キーワードの重み付けも活用。
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DALL-E:テキスト入り画像の作成が得意。
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Stable Audio:楽器や構成を具体的に伝えると再現度がアップします。
まとめ プロンプトはAI活用のカギ!
生成AIを最大限活かすためには、的確で具体的なプロンプトを使うことが重要です。ほんの少し表現を変えるだけで、驚くほど成果が変わることもあります。
プロンプトの内容に迷ったら、まずは「誰に向けた内容なのか」「どんな目的で使うのか」を明確にしてみましょう。
何度か試しながら、少しずつ調整していくことで、あなたの理想に近づくアウトプットが得られます。AIは、あなたのアイデアを後押ししてくれる強力な味方になります!
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